柔軟性とは、身体の関節や筋肉の柔らかさを指しています。
一般的には柔軟性が高い方が良いとされており、格闘技においてもそれは同様です。
では、具体的に柔軟性が高いことで、格闘技にどう有利になるのでしょうか。
本記事では、格闘技における柔軟性が高いことによるメリットと、ストレッチの重要性について解説していきます。
強い格闘家は身体の柔軟性が高い

格闘技における柔軟性の大切さは、有名格闘家達も口を揃えています。
『闘うフリーター』として、数々の猛者と対戦してきた総合格闘家の所英男選手は、身体のケアとして重要だと述べています。
格闘家・所英男(46歳)に学ぶ、いつまでも“動ける身体”のつくり方
元全日本強化指定選手であり、総合格闘家の渡辺華奈選手は、股関節の重要性という視点から述べています。
「まずは柔軟性を高めることが大事」格闘家・渡辺華奈が語る“股関節の重要性”
両名ともこれまでに多くの勝ち星をあげており、今なお現役で活躍している強豪選手です。
限られた時間の中で、技術的な練習や筋力トレーニングだけでなく、ストレッチにも大きく時間を割いています。
彼等の発言と行動からも、柔軟性が格闘家にとっていかに必要か分かりますね。
格闘技で柔軟性が高いメリット

柔軟性が高いことによるメリットは多くありますが、ここではより具体的に解説していきます。
関節技が極めやすく極まりにくい
柔軟性が高いと、関節技をあらゆる体勢や方向から、相手に掛けられるようになります。
普通ならできない入り方をされるので、意表を突かれて反応が遅れて、より極まりやすいです。
さらに、相手の関節技も極まりにくくなります。
相手も「これで極まるだろう」という経験則があるので、目論見が外れると焦って隙が生まれます。
これは格闘技において非常に有利であり、自分の強みとなります。
柔軟性があれば攻守ともに戦略の幅は大きく広がるでしょう。
怪我をしにくくなる
怪我をするのは、身体が負荷や衝撃に耐えきれないことが原因です。
柔軟性が高いと、負荷や衝撃をを上手く分散し逃がせるので、怪我をしにくくなります。
また、身体が固い人は無駄な力が入りがちで、疲労が溜まりやすく怪我に繋がります。
柔軟性があることで、変に力まずリラックスして、全身を存分に使えるようになります。
動きが素早くしなやかになる
柔軟性が高いと、身体が思いきり動かせるので、そのぶん素早くなります。
さらにしなやかさも出るので、相手の動きにも柔軟に対応できるようになります。
身体が固いと、全体的に動きがドタドタしてしまい、動きが遅くなることが多いです。
格闘技において、スピードとキレがいかに出せるかは欠かせない要素で、ここでも柔軟性が問われます。
柔軟性を高めるストレッチの方法

柔軟性を向上させるためには、ストレッチをしっかり行っていくことが求められます。
しかしストレッチとひとくちに言っても、様々な方法があります。
各方法の特徴をおさえておきましょう。
セルフストレッチ
最も一般的で手軽な方法です。
必要なのは自分の身体のみで、いつでもどこでもできることがメリットですね。
起床時や就寝時、練習前後で行うのはもちろん、何かの合間でも取り組めます。
行う際は、ストレッチしている部位に意識を集中して、伸びを感じるのがポイントです。
ただし無理して伸ばそうとすると、思いもよらないケガをするため、調整することが大切です。
器具利用によるストレッチ
器具を使ってのストレッチは、自分だけでは難しいところまで伸ばせるのがメリットです。
股関節を伸ばすレッグストレッチャーや、ストレッチポールなど様々な種類の器具があります。
使い方次第でセルフストレッチより効果的ですが、やりすぎると関節や筋を痛めてしまう可能性もあるので、注意が必要です。
また、器具を利用する場合はある程度のスペースが必要で、買ったはいいものの存分にできないというケースもあり得ます。
自宅の間取りを見て、あまり余裕がなさそうであれば、やめておいた方がいいでしょう。
ペアストレッチ
ペアストレッチは、自分ともう1人で一緒にストレッチです。
1人では伸ばしにくい箇所も、相手に伸ばしてもらえます。
パーソナルトレーナーなど専門家と行うと、怪我の心配がなく安全にできるので、アスリートも取り入れています。
また、身を委ねることでリラックスでき、心身のケアとしても活用できるのもメリットです。
専門家とやる場合お金はかかりますが、最も効果的なストレッチと言えるでしょう。
パーソナルジムや、『Dr.stretch』などの専門店で受けることが可能です。
柔軟性を高めて格闘技のパフォーマンスを上げよう

格闘技のパフォーマンスと、柔軟性は密接な関係があります。
先述の関節技はもちろん、キックボクシングでのハイキックなど、可動域が広いことでやりやすくなる技は多いです。
身体が固いと怪我をはじめ様々なリスクも上がるため、ストレッチでしっかりほぐしていくことが大切です。
なお、身体の中でもこの部位は柔らかい、この部位は固いなど人によって特性は様々です。
特定の部位だけ柔軟性が高くても、ほかの部位が固いとそこを補おうと負荷がかかり、やはり怪我に繋がりやすいです。
まずは今の自分の全身の柔軟性を確認しつつ、固い箇所から重点的にストレッチするのがオススメです。
柔軟性もすぐには向上しないので、地道に継続していかなければなりません。
ペアストレッチのサービスも活用しつつ、柔軟性を高めて格闘技のパフォーマンスを上げましょう。
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