ボクシングを始めたばかりの頃に悩みがちなのが、練習頻度についてです。
実際にボクシングジムでも、入会したての人が「1日にどのくらい、週に何回くらい練習するのか?」と、トレーナーに質問している光景を見かけます。
ボクシングジムは基本的にフリートレーニング制を採用しており、休館日以外であれば週何回でも行けるシステムになっています。
しかし自分の目的に合った練習頻度となると、週何回が適切なのか分からないですよね。
本記事では元プロボクサーである筆者が、目的別の練習頻度の目安について解説します。
大前提は『質の高い練習』ができるか

練習頻度について触れる前に、1つ理解しておいてほしいことがあります。
それは全ての練習において、質の高さが求められるということです。
ここでの質の高さとは、「モチベーションを持って集中して練習に取り組めるか」を指しています。
集中できておらずダラダラやる練習は、意味がないどころか、怪我をするリスクも高まります。
ボクシングジムを見渡した時に、ずっと話してばかりいる人や、やる気の感じられない練習をしている人はいませんか?
その人達はほとんどが上手くないですし、上達も見込めません。
練習を週何回するかという話は、『質の高い練習』をする大前提の上に立っていることを覚えておきましょう。
目的ごとの練習頻度の目安

ボクシングの練習頻度は、目的によって効果的なペースが異なります。
ここでは目的別の練習頻度の目安を見ていきます。
※あくまで目安なので、それ以下の頻度でも問題ありません。
健康維持
この目的の場合、練習は週1回のペースでも十分です。
東京都保険医局によると、健康維持において必要な運動量は、週に60分とされています。
健康づくりのための運動量の目安(18~64歳)は、息がはずみ、汗をかく程度の運動を週合計60分、毎週続けることです。
ボクシングの練習は、1回あたり1時間程度で終わるので、週1回で満たせる計算となります。
ここでの最優先事項は、無理をせず怪我をしないように継続することです。
体力と筋肉をつけて、健康に楽しく生活できるようにあれば、それでOKです。
運動習慣をつけて、日常生活の一部とできるようにしましょう。
ダイエット
ダイエットに必要なのは、『消費カロリー>摂取カロリー』となることです。
そのため練習頻度が多ければそのぶん効果的です。
しかし現実的に考えると、週2~3回の練習ができればベストでしょう。
この目的における最優先事項は、ストレスを溜めないようにすることです。
ストレスが溜まると、暴飲暴食に繋がるだけでなく、心身不調に陥ってダイエットどころではなくなります。
無理して練習頻度を増やしても、義務のようになってストレスがかかるようでは意味がありません。
ダイエットは1カ月そこらでできるものではなく、長い目で見る必要があります。
また、余裕があれば筋トレや有酸素運動も多少加えられると、さらに効果があるでしょう。
強くなりたい
ここでの「強くなる」とは、ボクシングの強さと定義します。
競技力向上と身体能力強化が必要となるので、最低でも週3回は練習したいところです。
また、練習の強度もそれなりに高くする必要があります。
疲労が溜まりやすくなるので、練習と休息のメリハリをつけることが大切です。
最初からハードにやると、怪我や不調を招く可能性があるため、強度は徐々に上げていくようにしましょう。
余裕があれば、フィジカルトレーニングを取り入れるのもおすすめです。
→ボクシングに筋トレは必要か記事の内部リンク添付
プロ選手志望
プロになりたい場合、ほかの目的とは一線を引く必要があります。
練習は週5~6回が必須で、気分が乗らないからやめておく・・・ということはできません。
スパーリングなどの対人練習、トレーナーとの本気のミット打ちと、内容も非常に厳しいものとなります。
『趣味』ではなく『仕事』となるので、根本的な意識から変えなければなりません。
アマチュアならまだしも、プロとして試合に出て勝ち続けるためには、意識を高く持つことは当然です。
練習は誰もがやるので、それ以外の時間をどう過ごすかで、差が大きく開きます。
練習後のケアはもちろん、どんな休み方をして疲労を抜くかなど、ボクシングだけでなく普段の生活も見直すことになります。
甘えが許されない世界に踏み込むので、相当の覚悟が問われます。
ボクシングを楽しもう!

学校や仕事がある中で、ボクシングの練習をするのはそれだけで凄いことです。
練習頻度と質の高さを保ち続けるには、ボクシングをいかに楽しくやれるかにかかっています。
どんな目的であっても、すぐ目に見える成果が出るわけではなく、継続することが求められます。
そのためには楽しくなければ、挫折する可能性は高くなるでしょう。
これは格闘技だけでなく、スポーツ全般に共通することだと思います。
ボクシングを嫌いにならないように、自分なりに上手く距離感をはかりながら、ボクシングと向き合ってください。
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