これから筋トレを始めようしている初心者が、知識を身に付ける方法として最初に考えるのはYouTubeが一般的でしょう。
今や有名ボディビルダーをはじめ、多くのアスリートが筋トレに関する動画をアップしています。
YouTubeなら無料で大量の情報に触れられるので、独学でやっていけると思う人も多いのではないでしょうか。
しかし筋トレを独学でやっていくにあたっては、大抵の場合いくつかの問題が発生します。
それこそが独学の限界とも言えるものです。
本記事ではこの点について、元インストラクターとして数々のトレーニーを見てきた経験もある筆者が、詳しく解説します。
独学の筋トレはどこかで行き詰まる

はじめに言っておくと、独学で筋トレをすることは何ら悪いことではありません。
独学であっても、真面目にやっていれば確実に筋肉は付いていきます。
筋トレは自分の筋肉に一定以上の負荷をかけて、強くしていく作業です。
そのためにマシン等を使い、複数の種目で各部位を効果的に鍛えて、ボディメイクしていくことになります。
継続さえできれば、少しずつ筋肉は付いてきて、自信も持てるようになるでしょう。
しかし、自分の理想通りの身体になるまでには、相当な手間と時間がかかります。
さらにどこかで、成長に伸び悩んで行き詰まりを感じる時が、必ず訪れます。
インストラクター時代に、そうした状態に陥り苦戦する人をたくさん目にしました。
そこから抜き出るのは、粘り強く努力を続けられるか、パーソナルトレーニングでサポートを受けるようにした人達です。
独学の筋トレにおける限界点

独学での筋トレに限界があるのは、以下の4点が難しいことが主な原因として挙げられます。
順番に解説していきます。
最適なメニュープランの作成
筋トレは目的・目標によって、メニュープランが変わります。
ボディビルダーのように筋骨隆々になるのと、細マッチョのような引き締まった体型になるのは、異なるアプローチが必要だからです。
さらに個々の生まれつきの骨格や筋力のバランス、柔軟性なども考慮しなければなりません。
また、1度作成したメニュープランは永遠に同じではなく、成長度合いに応じて見直して変更も必要となります。
これを独学でやるには、相当な知識と経験が問われますし、その過程で上手くいかないこともたくさん出てくるでしょう。
インストラクター時代もメニュープランに困り、質問や相談してくる人は少なくありませんでした。
正しいフォームの習得
筋トレはフォームによって、負荷のかかる箇所や度合いが大きく変わります。
適切でないフォームだと、狙った筋肉が思うように鍛えられず、ケガのリスクも高まります。
どれだけ勉強して知識を身に付けても、実践で正しくやれるかは別問題です。
1人だと正しいと思っていても、実はできていないこともザラにあります。
独学で筋トレしてきた人が、パーソナルトレーニングを受けて正しいフォームでやれていなかったと気付くことは、珍しいことではありません。
それほどフォームは難しく、しかし重要なものです。
重量と回数の設定
独学で筋トレをしている人の多くは、何となくで重量と回数を設定しています。
インストラクター時代にも、「高重量をやるようにしている」とか「とりあえず10回やる」という人ばかりでした。
しかしこれによって、筋肉がどのように成長していくかは大きく変わります。
根拠のない設定で行うと、あまり意味のないどころか、ケガをするリスクも高まってしまいます。
重量と回数にも、なぜその設定にする必要があるのかという、明確な理由がなければなりません。
でないとどんなに頑張っても、思うような成長はできないでしょう。
食生活の管理
筋トレは重要ですが、それと同等に食事も大切な要素です。
人間は食事によって栄養を吸収し、そこから身体が作られています。
どれだけ筋トレしても、食事が疎かだと栄養も十分にとれず、意味がありません。
だからプロのアスリートは、専属の管理栄養士を付けることが珍しくありません。
食事は筋トレとは全く別の知識が必要です。
しかし独学で食事面も管理していくのは、ハッキリ言ってかなり難しいです。
特に社会人は筋トレの時間を捻出するのにも一苦労なのに、食事までもとなると圧倒的に時間が足りないでしょう。
情報が溢れているからこそ難しい

冒頭で触れた通り、今はYouTubeで筋トレに関する情報を、たくさん入手できるようになりました。
だから独学で十分やれるという人も多いです。
しかしそれらの情報の中から、どれを取り入れ活用するか、判断が難しくなったのも事実です。
YouTubeの動画は、情報の信憑性が保証されているわけではありません。
中には自分の感想や経験則のみで、さも正しいように説明している人もいます。
いわゆる玉石混交となっており、それを見分けるのは視聴者に委ねられています。
そして見分けるには、そのための知識が必要となります。
独学で筋トレをするためにYouTubeで知識を付けたいのに、勉強のために観る動画を正しく選ぶには知識が必要という、おかしいことになってしまっています。
以上のことからも、独学でやっていく難しさが分かるかと思います。
パーソナルトレーニングも視野に入れてみる

パーソナルトレーニングに対して、多くの人が費用が高すぎるということから尻込みしています。
インストラクター時代も、パーソナルトレーニングを薦めても「そんなお金ない」と断る人がたくさんいました。
確かに1回のセッションで10,000円程度することもザラなので、気持ちも理解できるところではあります。
しかしそのお金をかけることで、手間と時間を短縮し理想の身体に近付けます。
コストパフォーマンスを考えると、決して悪くはない手段です。
独学でもやれないことはありませんが、長期的な目線で見ると、パーソナルトレーナーによる指導の必要性は高いです。
ただ独学で努力を続けて、成功している人もいるので、必ず必要とも言い切れません。
今の自分に本当に必要かどうか、パーソナルジムのカウンセリングや体験トレーニングを受けた上で、判断してみるのげベストでしょう。
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