ボクシングの練習において、バンテージはほとんどの人が利用しています。
プロボクサー、アマチュアボクサー、趣味・目的などは関係ありません。
しかし始めたばかりの初心者にとっては、一見すると包帯のようなバンテージがなぜ必要なのか、いまいちピンとこない人もいるでしょう。
本記事ではバンテージを巻く理由や種類について、元プロボクサーの筆者が詳しく解説していきます。
バンテージは必要!

まず結論から言うと、バンテージはボクシングで絶対に必要となります。
詳しくは後述しますが、パンチのみが攻撃手段であるボクシングで、バンテージを使っていないのは危険です。
MMAなどほかの格闘技の選手の中には、「組み技がやりにくい」などの理由で敢えて使っていない人もいます。
しかしボクシングでは、試合でもバンテージの利用が必須となっており、さらに巻き方についても細かく規定されています。
また、初心者はパンチのテクニックがまだまだ発展途上であることから、怪我をしやすいので使うべきです。
バンテージを巻く理由

はじめにおさえておきたいのは、バンテージを巻く理由です。
使わないことによるリスクを把握し、その重要性を理解しましょう。
拳の保護
サンドバッグやミットは硬い革製で、パンチを打ち込んでいると拳の皮がめくれてしまうことがあります。
特に最初は打ち慣れておらず、皮のめくれだけでなく、拳を痛めてしまうことも少なくありません。
バンテージは拳の部分にクッションができるように巻いて保護するので、そうした怪我を防止できます。
手首の保護
手首は柔軟性が高く可動域が広いですが、そのぶん脆い部位でもあります。
初心者はまだ十分に鍛えられておらず、打ち方も雑になってしまうことがあるため、怪我をしやすいです。
また、1度痛めるとなかなか治らず、日常生活に支障が出てしまうこともあります。
バンテージは手首の固定をすることができるので、こちらも怪我を防止できます。
汗の吸収によるグローブの劣化防止
パンチを打つ際に使うパンチンググローブやボクシンググローブは、洗濯機で丸洗いすることができません。
そのため、汗が付着すると雑菌の繁殖だけでなく、匂いも強烈なものになっていきます。
素手に装着してしまうと、手の汗が全てグローブについてしまうので、そのぶん寿命が短くなってしまいます。
バンテージを巻いておくと、汗をある程度吸い取ってくれるので、かなりマシになります。
パンチンググローブもボクシンググローブも、そこそこのお値段となのので、長持ちさせるためにもバンテージは必要です。
バンテージの種類

ひとくちにバンテージといっても、いくつかの種類に分かれています。
それぞれの特徴を踏まえて、自分のニーズに合うものを使うようにしましょう。
簡易バンテージ(インナーグローブタイプ)
手にはめられるグローブ型のバンテージです。
はめたら残りのテープとなっている部分を、手首に巻いて固定すればいいので、着脱がとても簡単です。
通常のバンテージのように巻くためのテクニックが不要で、初心者はこのタイプから使い始める人が多いです。
その代わり、拳の保護や手首の保護は、バンテージよりやや劣ります。
また、拳部分はゲルやクッションが入っていますが、使い続けるとどんどん潰れて、機能しなくなっていきます。
最初はこれでも大丈夫ですが、慣れてきたらバンテージへ切り替えた方がいいでしょう。

非伸縮性バンテージ
伸縮しないタイプのバンテージです。
手にフィットさせるのはややコツが必要ですが、手首の固定がしっかりできるので、保護機能の面では最も優れています。
最初は巻くのに苦労することもありますが、慣れるとガッチリさせられるので、パンチを思いっきり打ちたい人にはおすすめです。

伸縮性バンテージ
伸縮するタイプのバンテージです。
伸び縮みするので、非伸縮性よりフィットして巻きやすいというリットがあります。
ただし、気をつけないと締め付けを強くしすぎるので、その点は要注意です。

バンテージでボクシングを安全に楽しもう!

ボクシングはパンチのみだからこそ、拳や手首を怪我してしまうと、練習ができなくなってしまいます。
最初は巻き方が分からず苦労しますが、繰り返しているうちにどんどん慣れて、気が付いたらスムーズに巻けるようになります。
安全に練習するためにも、今後試合に出ることになった時のためにも、バンテージを巻く習慣をつけておいて損はありません。
巻き方は色々あり、バンテージの長さによっても異なるので、所属しているボクシングジムのトレーナーに教わりましょう。
今はYouTubeでも多くの巻き方指南動画がアップされているので、これを参考に練習するのもいいでしょう。
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