コールセンターには、大きく分けて『個人向け』と『法人向け』の2種類が存在します。
『個人向け』は対応する顧客が個人ユーザーとなり、『法人向け』は顧客が企業となります。
これからコールセンターで働くにあたり、それぞれの違いやどちらの方が良いのか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事ではそのような方のために、両方での勤務経験がある私が、『個人向け』と『法人向け』について詳しく解説していきます。
『個人向け』コールセンターのメリットとデメリット
個人向けコールセンターは、顧客が個人ユーザーとなるため、良くも悪くもラフなコミュニケーションとなります。
丁寧な口調で理論的に対応するより、敬語は使うものの親しみやすく失礼のないくらいに崩し、共感しながら対応することが適切な場合が多いです。
個人ユーザーは、理論や根拠を並べ立てても感情面で納得できなければ、引き下がってはくれません。
そのため、冷静で機械的な対応をすると、かえって火に油を注いでしまうことがあります。
しかしたとえ問題を解決できなくても、自分に寄り添ってくれる、味方をしてくれていると分かると、渋々ながらも理解を示してくれます。
必ずしも解決ができなくても対応を終われることがあるというのは、大きなメリットと言えるでしょう。
また、感情をあらわにして感謝を示してくれる人も多いので、やりがいを感じる場面は多いです。
デメリットとしては、法人向けよりクレームが多い傾向にあることです。
特に金銭が関わる問題の場合、暴言を吐かれるのは日常茶飯事です。
コールセンターによってはあまりにも目に余る顧客に対して、今後問い合わせができない処置をしたり、上席であるSVで巻き取って対応する制度を設けていることがほとんどです。
とはいえ、最初に対応するのは問い合わせを受けたオペレーターになるため、ストレスはたまりますし人によっては耐えきれず辞めてしまうことも珍しくありません。
そのため個人コールセンターは、良くも悪くも程よくいい加減に対応できる人が、向いていると言えるでしょう。
法人向けコールセンターのメリットとデメリット
法人向けコールセンターは、顧客も企業なのでビジネスでのやり取りになります。
理論や根拠に基づき対応し問題解決まで導くので、理路整然としたコミュニケーションが得意な人に向いています。
メリットとしては個人向けユーザーのような、感情的で理不尽なクレームが滅多にないことが挙げられます。
こちらも顧客もプロなので、声を荒げて喧嘩のようになることもほぼありません。
デメリットは、問題解決できないことが許されなかったり、ミスをした際の影響が大きいことです。
特にこちらの生成したシステムやサービスが起因となった問題が発生した場合、金銭補償や原因究明と改善策の提示など、何らかの落とし前をつけなければなりません。
また、法人であるため扱う金額が大きく、こちらの案内にミスがあると大きな損失が出てしまうケースもあります。
そのため案内に必要となる知識はしっかり学ぶ必要があり、間違いのない確実な対応が求められます。
『個人向け』と『法人向け』はどっちがいいの?
よく個人向けと法人向けのどっちの方が良いのか質問されることがありますが、回答としては「どっちが自分に向いているかによる」です。
扱うサービス内容やコールセンターの方針などによってもかなり変わるので、一概にどちらが良いとは言えません。
ただし個人向けコールセンターは、ラフで相手のテンションに合わせてコミュニケーションを取るのが得意な人に向いています。
一方で法人向けコールセンターは、丁寧で理論的なやり取りが得意な人に向いています。
どちらの方が自分の性格に合いそうか考えて、選ぶのがよいでしょう。
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